2004年12月

 このページではテレビで放送されたボクシングの試合を、酒を嗜みながらふらふら書きつづっていこうと思います。評価にはかなりの偏りが生じる可能性がありますが、ま、そこはそれ、ご容赦ください。

12月31日 「秘すれば花 10年古酒」を嗜みつつ
ライト級4回戦
加藤 善孝 ドロー 中村 明洋
 第1ラウンドから重たいパンチが炸裂する派手な試合となる。順番に有利不利が入れ替わるめまぐるしい展開が後半に入っても続いている。やや加藤の方が有利かな?第3ラウンド終了間際、加藤のストレートが中村の頭を後方に弾くが、そこから畳み込むには時間がなかった。最終ラウンド、加藤は執拗にボディをたたき、中村の上のガードをこじ開けようとするが、加藤も手数を減らさず、拮抗した打ち合いの中、試合は終わった。判定はドロー。意地と意地のぶつかり合いだった。

スーパー・バンタム級8回戦
竹下 隆之 判定 松田 直樹
 懐に潜り込むチャンスうかがう松田に対して、竹下は落ち着いたジャブで距離をとろうとする。が、松田の勢いに応じたのか、一気に松田を攻め込むシーンもみられた。第1ラウンド終了10秒前、拍子木の音が鳴った瞬間、竹下の動きが一瞬止まった。中途半端に伸ばした竹下の左ジャブに、松田のロングフックがカウンターで炸裂する。斜め後ろに崩れ落ちる竹下。第2ラウンドに入って、松田のカウンター狙いは続く。竹下のジャブは長距離では鋭くキレてるんだが、中間距離にはいると、戸惑いが見える。松田もそこを狙っている。第4ラウンド、竹下の狙いが腹に変わる。いきなり飛び込んでのボディブロー。そしてそこから顔面に返すフックが、松田の顔面にヒットする。今度は松田が戸惑いながらも、切り崩されることなく踏みとどまり、再び反撃に出る。両者に疲労が見えはじめた第6ラウンド以降は、もみ合いの中から、先にパンチを当てた方が攻勢に転ずるというスリリングな展開が続く。両者、心が折れれば終わるパンチをもらいながら、最後まで諦めず、判定で松田の勝ち。良い試合だった。

スーパー・フェザー級10回戦
小堀 佑介 負傷判定ドロー 山崎 晃
 小刻みに体を振る山崎をじっくりと見下ろす小堀。お互いの隙を探り合うところから試合がはじまった。小堀のプレッシャーをかいくぐりながら細かいパンチを当てていた山崎だったが、徐々にテンポをあげてくる小堀に次第に押されはじめる。が、アマチュアで経験豊富なだけあって、小堀の強打を紙一重でかわし続け、要所で小堀の勢いを止めるパンチを当てている。巧いな。中盤、圧倒的な手数で攻め立てるのは小堀なんだが、山崎が妙に落ち着いている。小堀の連打を浴びても、慌てることがまるでない。これは、手玉にとられてるか?中間距離の打ち合いで、クリーンヒットは圧倒的に山崎の方が多い。接近戦では、手数で山崎を退けるものの、やや小堀が押されはじめている。もう少し踏み込みたい山崎だが、小堀は打たれてからの一発があるので、なかなか押し込めないようだ。第8ラウンドを迎える頃、山崎の右頬が大きく腫れ上がりはじめる。小堀の左がよほど強烈なんだな。第9ラウンド、頬の腫れに加えて右目尻をカットしたため、ドクターが試合続行不可能と判断し試合終了。判定でドロー。

WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
イーグル京和 4RTKO イサック・ブストフ
 鋭いパンチでブストフに圧力をかけるイーグルだが、ブストフはスリッピングアウェイでさばいて打ち終わりにパンチを繰り出す。第3ラウンド、イーグルに異変が起こる。右肩をしきりに気にするイーグル。右のパンチが出ない。第4ラウンド、パンチを出すことがままならないイーグルは、ブストフの猛攻以上に肩の痛みに耐えきれず、試合を棄権。TKOでブストフの勝ち。

スーパー・フェザー級8回戦
中根 修 5RTKO 豊嶋 耕志
 上体を振りながらぐいぐいと前に出る中根が、いきなり豊嶋をロープに押し込んでボディを叩く。対する豊嶋は足を使って距離をとるが、中根の圧力にやや押され気味だ。第2ラウンドにはいると、頭をこすりつけての接近戦が多くなる。密着状態でパンチを出すのは中根なのだが、豊嶋は一瞬バックステップして作った空間でコンパクトなコンビネーションを放つ。しかし、中盤に入っても勢いの差は依然として大きく、目尻と鼻からの出血もあって、じわじわと豊嶋が押されはじめる。第5ラウンド開始直後、3度目のドクターチェックでレフェリーが試合をストップ。ヒッティングによる負傷だったため、中根のTKO勝ち。

IBFスーパー・ライト級王座統一戦
コンスタンチン・チュー 3RTKO シャーンバ・ミッチェル
 ついにチューが沈黙を破る。剛拳に挑むはスピードスター・ミッチェル。ミッチェルは左右への動きでチューを攪乱しにかかるのだが、落ち着いて前に出るチューは、次第にミッチェルをロープ際に追いつめてゆく。そして第2ラウンド、チューの拳がミッチェルの顔面を捉える。なんとか踏みとどまろうとするミッチェルに容赦なくふりそそぐチューの拳に、たまらずひざを着く。かろうじて立ち上がるが、足を止めたミッチェルに怖さはない。落ち着いてカウンターを放つチューに為す術がない。第3ラウンド開始早々、チューの右ストレートが2度目のダウンシーンを生み出す。効いてる。必死にクリンチに逃げるミッチェル。そして3度目のダウン。よく立ち上がったミッチェルだったが、狙い澄ました左右のパンチが、ミッチェルの顔面を立て続けに打ち抜いた。ひざを着いたところで試合終了。チューのTKO勝ち。恐るべき王者が復活した。ここから爆進してもらいたい。

WBA世界スーパー・ライト級タイトルマッチ
ビビアン・ハリス 11RTKO オクタイ・ウルカル
 最初はペースの取り合い。素早いパンチの交換が続く。序盤、押してゆくのはハリス。長いストレートがウルカルを捉える。距離をとっては勝負にならないとみたウルカルは、大きなパンチを出しながら、強引に接近戦に持ち込む作戦に出るが、なかなかクリーンヒットがない。逆に踏み込み際にカウンターを狙われてしまうが、とにかく勢いだけは止めずに攻撃を続けている。その甲斐あってか、第7ラウンドにハリスを捉えたストレートが勢いを寸断する。が、ウルカルも攻めきることができない。しかし、終盤にはいると、この強引な攻めが徐々にハリスのリズムを狂わせはじめた。ウルカルのパンチをかわしきれないハリス。ここでリズムを取り戻さないと、このまま飲み込まれてしまうと感じたのか、第9ラウンドはハリスが強引に前に出る。ペースは再びハリスへ。ウルカルの疲労度もかなりのものだ。そして第11ラウンド、もみ合いの後に生まれた一瞬の隙に、ハリスの左フックが走った。顎を貫かれ、前のめりに崩れ落ちるウルカル。立ち上がるものの足下が定まらず、レフェリーストップ。ウルカルの勝ち。ウルカルも粘りに粘ったが、最後の一発でその努力は水泡に帰してしまった。

スーパー・フェザー級10回戦
ホアン・グスマン 判定 ジョー・モラレス
 試合は初回から激しい打ち合いとなる。とにかくプレッシャーをかけ続けるグスマンに対して、モラレスは足を使って間合いをコントロールしながらカウンターを叩き込む。勢いがある分、グスマンがまずペースを引き寄せた。強烈なボディブローがモラレスの腹に何度も抉り込まれる。第3ラウンド、ついにグスマンの剛腕がモラレスをカウンターで捉えた。一気にロープに押し込まれるモラレス。だが、倒れない。強烈な後続打紙一重でかわしながらなんとかゴングまでたどり着く。第5ラウンド、グスマンは、これまでの鉈を振り回すような連打から、速射砲のような素早い連打に切り替える。完全にカメ状態になっているモラレスだが、決定打はしのぎきった。終盤に入り、やや両者に疲れが見えはじめるものの、相変わらずグスマンは攻め、モラレスはしのいでいた。いくらパンチを入れても倒れないモラレスに、グスマンは嫌気が差してきてるのではないだろうか?それほどしぶとくタフだ。最終ラウンドの連打で倒れなかったところで、グスマン的には試合終了。判定でグスマンの勝ち。攻めも攻めたり、守るも守ったりって試合だった。

2004全日本新人王決勝戦 フライ級
佐藤 常二郎 判定 久高 寛之
 豪快にパンチを出す佐藤と、落ち着いて対処する久高。一進一退の攻防が続く。そんななか、離れ際に久高の放った右ストレートが佐藤のガードのど真ん中を貫通する。佐藤のダウン。このダウンを挽回すべく、前に出続ける佐藤だが、久高の迎撃をかいくぐれない。激しい打ち合いのまま試合終了。判定で久高の勝ち。

2004全日本新人王決勝戦 バンタム級
前之園 啓史 判定 濱口 啓介
 はじまりは中間距離でのパンチの交換。的中率は前之園の方が高いか。時折濱口の顎がジャブで跳ね上げられている。追いつめられそうになっての濱口の抵抗はなかなか効果的なのだが、いかんせん、前之園のジャブがいい。近づくことが難しいかと思われた第3ラウンド終了直前、濱口の右クロスが前之園をマットに沈める。濱口はこれを突破口にできるのか?再び長距離砲でリズムを作りたい前之園だったが、ダメージに加えて濱口をリズムに乗せてしまったことが、拮抗した打ち合いを生む。ダメージも疲労もほぼ同じ。こうなったとき、地力で勝る前之園が試合を支配し始める。最終ラウンド、最後まであきらめずに拳を出し続けた両者だったが、そのまま試合終了。判定で前之園。

2004全日本新人王決勝戦 フェザー級
小林 生人 判定 福原 寛人
 強打の小林が、スピードの福原を追う展開となった。第1ラウンド、福原の細かい出入りに何とかついていこうとする小林。ヒットアンドアウェイから放たれる福原のボディが効果的だな。第2ラウンド、小林がひとつギアを上げる。素早く深い踏み込みから、福原にパンチを届かせる。当てれば勝てるという戦い方はハードパンチャーの自負だろう。福原も小林の強引な攻めを完全にはさばききれずにいる。その強打が与えるダメージが次第に積み重なってきたようだ。打ち合いに巻き込まれつつ、試合終了。判定で小林の勝ち。

2004全日本新人王決勝戦 スーパー・フェザー級
松崎 博保 判定 天堂 雅之
 長いリーチを生かして松崎を突き放したい天堂。しかし、松崎の踏み込みは天堂の予想よりも速かった。懐にもぐり込んでボディを放つ松崎。終盤に入っても天堂の足は止まりはしないが、松崎の突進を止めることもできない。しかし、徐々に鈍ったスピードにつけ込まれて、最終ラウンドには打ち合いに巻き込まれ、そのまま判定へ。判定で松崎の勝ち。

2004全日本新人王決勝戦 ライト級
小野寺 正明 判定 豊原 正浩
 スタミナに自信ありの小野寺が初回から距離を詰めてゆく。何とかしのぎたい豊原は、ジャブで距離をとろうとするが、強引にパンチを振りながら飛び込んでくる小野寺を制しきれない。第2ラウンド、右アッパーを突破口として、小野寺が豊原をロープへ押し込む。体勢を崩されて後退する豊原だが、落ち着いて放つ細かいカウンターが小野寺にあと一発を決めさせない。むしろ、小野寺の方にもそれなりにダメージがありそうだ。中盤をすぎると打ち合いはほぼ互角となる。きっかけの一発を当てた方がしばらく攻め、耐えきられると再びきっかけづくりの打ち合いに戻る。執拗に豊原を追いつめて連打を放つ小野寺なのだが、豊原があきらめない。それどころか、ロープを背負いながらの応戦で小野寺の勢いを最後まで寸断し、試合終了。判定で小野寺の勝ち。

2004全日本新人王決勝戦 スーパー・ライト級
田中 啓介 判定 磯道 鉄平
 ハードパンチャー同士の対戦。まずプレッシャーをかけたのは田中。頭を低くしてぐいぐいと前にでる。磯道は落ち着いてさばきつつ、カウンターを狙う。田中はよく前進しているが、磯道の巧みな打ち分けに阻まれて、なかなかクリーンヒットがとれない。対する磯道も長距離砲を放つ間合いをあっという間につぶされてしまい、先制攻撃ができずにいる。しかし、接近戦でも磯道のテクニックは光る。巧みなボディワークで田中の打ち気を逸らし、体が流れたところへ細かくパンチを集中する。第5ラウンド、ついに磯道の連打に田中が崩れ始める。着実にガードの隙間に滑り込む磯道のパンチに田中の頭が幾度も弾け飛ぶ。このままペースを握られてしまうかと思われた田中だが、今一度踏ん張りなおして、突進を続ける。だが、有効打を叩き込むことはできず、そのまま試合終了。判定で磯道の勝ち。

2004全日本新人王決勝戦 ウェルター級
荒井 操 2RTKO 柏木 亮一
 やる気満々の荒井。大きなパンチを振り回すが、柏木はこの大振りの隙をついて懐へ潜り込もうとする。細かいパンチは苦手と見たのか?これが意外にも的を射たようだ。なかなか柏木を捉えられない荒井は次第に失速し始める。そして、柏木の細かいパンチが命中し出す。が、そこは一発の威力に勝る荒井。第1ラウンド終盤に柏木をぐらつかせる。そして第2ラウンド、ついにパンチをかわしきれなくなった柏木に荒井の強打が襲いかかる。テンプルへの右フックで完全に足が止まったところに叩きつけるような追い打ちを2発。ここでレフェリーストップ。荒井の勝ち。なかなか不敵なやつだ。

2004全日本新人王決勝戦 ミドル級
鈴木 典史 2RTKO 平井 和義
 両者とも左腕を下げたスタイル。速いジャブを重視するタイプだ。左の差し合いは平井の方がやや優勢。しかし第1ラウンド終盤、鈴木の左フックが立て続けに平井をおそう。そして第2ラウンド、慎重に距離を測っていた平井を再び左フックが襲う。ロープに弾け飛ぶ平井。ここぞと畳み込む鈴木はなかなか有功打がとれずにいたが、直後にレフェリーが割って入り、試合終了。鈴木の勝ち。平井は一瞬意識が飛んだだけだったようで、ストップの判断に納得できていないようだったが、まあ、あの状態ではしょうがないだろう。

12月26日 「末廣 白吟の華」を嗜みつつ
48.5kg契約級10回戦
高山 勝成 3RKO ナムチャイ・タクシンイーサン
 リズムを取る高山に対して、ナムチャイはベタ足でぐいぐい前に出ながら強烈なパンチを振り回してくる。第2ラウンド、ヒットアンドアウェイでパンチをまとめる高山を、一発狙いで仕留めようとするナムチャイだが、その高山の右ストレートがナムチャイの耳の裏を直撃する。すとんと両膝をつくナムチャイ。第3ラウンド、このダウンで踏ん切りがついたのか、強引に前に出始めるナムチャイ。が、突進してくる鼻先を高山のカウンターが的確に捉える。そして、顔面に意識が集中したところで突いたボディが試合を決めた。正座したまま立ち上がらないナムチャイはそのままカウントアウト。高山の勝ち。あのヒットアンドアウェイはお見事。

フェザー級8回戦
結城 健一 3RKO 原田 功雄
 ぐいぐいと前に出る原田。結城は無理をせず、距離が詰まったところでパンチを出す。的確にパンチをヒットさせているのは結城なのだが、原田の前進が止まらない。ロープ際に追い込んで手数を出す。しかし、原田は当てさせすぎた。第2ラウンド終了間際、飛び込み際にカウンターのワンツーをくらって膝をつく。原田のダウン。第3ラウンド、原田は逆転を狙って果敢に攻め込むが、ロープ際に引き込んで、大振りしてきた原田にカウンターのフック2発で再びダウンを奪う。原田は立ち上がるものの、足下定まらず、そのままカウントアウト。結城の勝ち。徹底した待ちのボクシングだったが、徹底しているだけに決まったときのダメージは大きかった。

60.0kg契約級6回戦
セサール・ドナイレイ 判定 吉村 憲二
 豪快なスウィングを繰り返すドナイレイに対して、吉村は細かい出入りを繰り返しながらペースを引き寄せてゆく。第2ラウンド、中間距離での打ち合いが続くが、巧く当てているのは吉村の方だ。ドナイレイはどうも力の入った大振りが多い。吉村のクリンチワークにちょっといらついている。後半にはいると、前に出るのはドナイレイ、迎え撃つのは吉村という展開が続く。両者、だいぶ疲れが見えてきて、勢いよく攻めても狙いが今ひとつ定まらない。そのまま試合終了。判定で吉村の勝ち。

50.0kg契約級4回戦
源甲斐 幸三 判定 大西 祐介
 勢いよく飛び出したのは源甲斐。大西の落ち着いた対応で一転、静かな滑り出しとなる。ラウンドが進むにつれ、両者テンポアップしてゆく。よく手は出しているが、クリーンヒットが少ない。ボディの打ち合いが多くなってきた。最終ラウンド、打ち合いは最高潮に達する。ここまでクリーンヒットはやや大西の方が多いか。大西は、突進してくる源甲斐の飛び込み際にアッパーのカウンターを狙っているが、かするだけでクリーンヒットしない。もみ合うような打ち合いの中、終了のゴングが鳴る。判定で大西の勝ち。

スーパー・フライ級8回戦
村井 勇希 ドロー 横山 啓介
 初っぱなから巧みなボディワークで村井をロープ際に追いつめる横山。ボディブローが村井の腹に突き刺さる。突き放して連打を叩き込みたい村井だが、なかなか的を絞り切れていない。第3ラウンド、横山の一瞬の隙をついて、村井が攻勢に転ずる。突き放しての連打で足を止めて、中間距離で連打を叩き込む。折り返し点を過ぎると両者のパンチが、芯をはずしながらもヒットしはじめる。くっつくと横山、一歩離れると村井のパンチが当たる距離の制し合い。激しい打ち合いのまま試合は終了。判定はドロー。まさにがっぷり四つの引き分けだったな。

ライト・フライ級8回戦
興梠 貴之 ドロー 一ノ宮 茂樹
 興梠を中心に円軌道を描く一ノ宮。スピードのあるパンチの交換が展開される。近頃珍しく、引き気味に距離をしっかりとって相手をコントロールしようとする一ノ宮。興梠はその踏み込み際にパンチを集中してパンチを当てる。かけひきは興梠の方が上。クリーンヒットは興梠の方が多いようだ。中盤に入って、一ノ宮がペースを変えてきた。接近してのボディブローから、果敢に接近戦を挑む。これにはちょっと面食らったような興梠だったが、落ち着いてしまえば、やはり興梠の方が有利に試合をすすめつつある。が、両者決め手はない。後半にはいると、一ノ宮のスピードが興梠を押し返しはじめる。徐々に後退する興梠。最終ラウンドは両者激しい打ち合いとなるが、決定打は無し。そのまま試合終了でドロー。

53.0kg契約級4回戦
井階 甲基 1RTKO 高橋 康胤
 第1ラウンド、小気味よいパンチの交換からいきなり終幕が訪れた。井階の左ジャブで高橋の顔面が跳ね上がり、うわずったまま出した右に、井階の右フックがカウンターで入った。高橋の頭が大きく左右に揺れたかと思った直後、直立姿勢のまま倒れる高橋。カウント途中でレフェリーストップとなり、井階のTKO勝ち。見事なカウンターだ。

12月14日 「ミロハイ」を嗜みつつ
WBO世界スーパー・ミドル級タイトルマッチ
ジョー・カルザゲ 判定 キャバリー・サレム
 7年間王座を守り続けているカルザゲが、マジシャンの異名をもつサレムを迎え撃つ。サレムのいやらしい攻撃に心穏やかでないカルザゲ。サレムの反則技を振り払うように突っ込むカルザゲだったが、第4ラウンド、コーナーに追い込んだところでカウンターの右フックをもろにくらってしまう。カルザゲのダウン。これで落ち着きを取り戻したカルザゲ。ガードを固めて慎重に攻めるが、サレムの曲者ぶりに攻めあぐむ。サレムの狙いはカルザゲの左ボディにあわせる右フック。カルザゲも注意を払うが、時折強打がかすめてゆく。第11ラウンド、カルザゲが細かい連打でサレムをコーナーに追い込むが、腕を絡めるように出されるサレムのパンチで寸断され、決めることができない。最終ラウンド、当たったのかどうかよくわからないパンチで、カルザゲがダウンを奪う。反論がなかったところをみると、サレムには自覚があったのかな?そのまま試合終了。カルザゲの勝ち。

WBC世界スーパー・ミドル級タイトルマッチ
クリスチャン・サナビア 6RKO マルクス・バイエル
 サウスポー同士のリマッチ。上体を揺すりながら接近のチャンスを窺うサナビアに対して、バイエルは慎重に距離をとって一瞬の隙を狙う。バイエルは少々体が堅くなっているのか、サナビアの細かいパンチがガードの隙間を縫うようにヒットする。打ち終わりを狙うバイエルだが、パンチはことごとくサナビアのガードに阻まれて、有効な攻撃を加えることができない。このままのペースで進んでしまうのかと思われた第6ラウンド、バイエルが後退をやめた。そこから放たれた左からのトリプルがサナビアの顎を貫通した。糸の切れた人形のように崩れ落ちるサナビア。かろうじて立ち上がるものの、レフェリーと正対できずカウントアウト。バイエルの王座返り咲き。15分間圧倒的有利であっても、あの3発が放たれたコンマ何秒かが逆転を呼んだ。これぞボクシングって試合だった。

WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
ビタリ・クリチコ 8RTKO ダニー・ウィリアムス
 試合開始からぐいぐい前に出るウィリアムス。なんとか乱戦に持ち込みたいのだろうが、接近際にクリチコの放つ右フックがウィリアムスの膝を揺らす。そして1ラウンド終了間際、風に揺れる短冊のように、クリチコのパンチに振り回されたウィリアムスは引き倒すような左フックでダウンを奪うばわれる。細かい連打だったが、一発一発が芯に響きそうだ。ところが、ウィリアムスは前進をやめない。ガードを固めて接近を試みる。しかも、クリチコのパンチに慣れはじめたのか、しっかりとガードしながらプレッシャーをかける。たまらず後退するクリチコ。パンチにも今ひとつ思い切りがない。このままペースはウィリアムスに移るかと思われた第3ラウンド終了間際、クリチコの力を抜いた左アッパーがウィリアムスの顎をピンポイントで打ち抜いた。踏鞴を踏み、マットに両グラブを着くウィリアムス。右目上からの出血も激しくなった。が、ウィリアムスは耐久力にものをいわせて、さらに前進を続ける。しかし、足下はおぼつかない。折り返し点を過ぎて気になるのはクリチコのスタミナ。口で息をし始めたところをみると、だいぶ苦しくなってきているんだろう。が、ここで再びダウンを奪ったのはクリチコだった。突進してきたところへ左右フックがヒットした。第8ラウンド、足の鈍ったウィリアムスに対して、クリチコは打ち終わりへのカウンターを連発する。徹底的に痛めつけられたウィリアムス。最後はアッパーで頭を起こされたところへ、ワンツーをガードの間に叩き込まれてマットに沈んだ。かろうじて立ち上がるが、レフェリーストップ。クリチコの勝ち。クリチコの強さは当然なのだが、ウィリアムスの粘りは凄かった。いい試合だった。

WBO世界スーパー・ライト級タイトルマッチ
ミゲール・コット 6RTKO ランドール・ベイリー
 スリリングな打ち合いで始まったこの試合。日本のバンタム級クラスのスピードがあるように見える。やはり、世界中量級の壁は厚いなあ。両者、付け入る隙を与えないが、タイミングは紙一重。一瞬の油断も許さない。第2ラウンド、鋭いパンチが交錯する中、コットの右フックがベイリーを捉えた。コットがダウンを奪う。ここで一気にいかないのがコットのコットたる所以で、ガードを固めて、ベイリーの気迫を巧い具合に拡散する。そして、コットは肝臓を抉るボディフックから連打を畳み込み、2目のダウンを奪う。決定的なダウンではなかったが、展開は完全にコットのペース。キレるパンチを上下に打ち分けられて、ベイリーは徐々に攻め手を失ってゆく。第6ラウンドにはいると、サンドバック状態。強烈なボディを容赦なく叩き込まれて、否応なく背中が丸まったところにアッパー。逃げようとするものの、その掌からは逃れられず、出血のチェックを機にギブアップ。コットの勝ち。盤石と言うにふさわしい戦いぶりだった。

12月14日 「男山 純米酒」を嗜みつつ
WBC世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ
エリック・モラレス 判定 マルコ・アントニオ・バレラ
 因縁のラバーマッチ。血沸き肉踊る対決とはこのことだろう。いよいよ試合開始。最高の攻撃力を持つ二人が、互いの鉄壁の防御を破ろうとする、まさに矛盾の構図。序盤から激しい打ち合いが展開され、紙一重で急所をかわす、スリリングなパンチの交換が続く。モラレスがやや優勢かな。しかし、折り返し点を過ぎるころになると、雰囲気が変わってくる。バレラのコンパクトなパンチがモラレスを捉えるようになる。距離はクロスレンジ。このまま押しつぶしたいバレラだったが、それはモラレスが許さなかった。長距離からガードの隙間を狙うストレートで距離をとり、自分の射程からパンチを繰り出すことでペースを掴みにかかる。しかし、決定打は奪えない。試合終了が近づいても、二人のペース争いは非常に高いレベルで続く。秒刻みで展開が変わるなか、時間だけが流れてゆき、ついに試合は終わった。判定でバレラの勝ち。凄い試合だった。

IBF世界バンタム級タイトルマッチ
ラファエル・マルケス 8RTKO マウリシオ・パストラーナ
 第1ラウンド、いきなりミドルレンジでの打ち合いの中、マルケスの左フックがパストラーナのあごを打ち抜く。一瞬、動きを止めるパストラーナ。まずはマルケスが機先を制した。しかしながらパストラーナの圧力はこのくらいではおさまらなかった。ダメージが回復するにつれ、相打ち覚悟の打ち合いで徐々に試合を均衡させてゆく。ペースの取り合いが続いた第8ラウンド終了間際、マルケスが流れを引き戻す。逃げ回るパストラーナを追い詰めてその強打を惜しげもなく叩き込み、このラウンドは終了。しかし、パストラーナが再びコーナーをたつことはなかった。蓄積されたダメージで戦闘不能となり試合終了。マルケスの勝ち。

58kg契約級4回戦
林田 直也 ドロー 株丹 千秋
 きびきびした動きの両者。互いの隙を狙いつつ様子を見ているようだ。それが終わると一転、頭を着けての接近戦が始まった。挑んでいるのは林田か。手数もクリーンヒットもほぼ互角。ただ、スタミナは株丹の方が勝っているようで、徐々に林田が押されはじめてきた。しかし、お互いに決定打を奪うことができず、判定はドロー。

スーパー・バンタム級4回戦
辻 彬宏 判定 立山 浩隆
 デビュー戦同士の戦い。いきなり当てた者勝ちの打ち合いになる。ミドルレンジで立山、クロスレンジで辻か。折り返し点を過ぎると、次第に回転数で勝る辻が押しはじめる。立山は大振りを続けていただけに消耗も激しい。しかし、時折思い出したように、パンチを出し始める。立山の狙いはロングレンジからのボディだ。最終ラウンド、いきなり辻が勝負をかける。接近しての連打に後退を余儀なくされた立山だが、ロングボディで辻の足を止める。ラスト30秒、完全にガス欠になりつつも、渾身の一発に勝機をかけて放ちあう両者。試合は判定で辻の勝ち。おもしろいふたりだ。

フェザー級4回戦
田井 敬之 ドロー 吉村 厚志
 3勝3KO勝ちの田井が吉村を迎える。いきなり突っかかる田井の勢いを細かいカウンターで迎え撃つ吉村。強打を封じるつもりだ。かまわず突っ込む田井だが、吉村の的確なパンチは確実にヒットしている。田井が空回りのまま試合は進む。最終ラウンド、変わらず突進する田井だが、クリーンヒットはやはり吉村の方が多く、展開は変わらない。田井は手数は出るが、当たらない距離での無駄打ちが多すぎるな。判定はドロー。これは吉村がかわいそうか?

ライト級4回戦
小島 康平 ドロー 福島 智弘
 初回、小嶋が思い切りのいい踏み込みと大きなパンチで先手を取りにかかる。福島は勢いに呑まれまいと足を使いがらいなそうとするが、間合いはクロスレンジ。やや小島有利の展開だ。しつこいボディが次第に福島の足を殺してゆく。とはいえ、小島も完全にペースを握ることはできず、要所で互角の打ち合いを演じられてしまう。最終ラウンドには両者のスタミナも底をつき、頭をこすりつけてのボディの打ち合いがひたすら続く。そして試合終了。判定はドロー。

OPBFスーパー・ライト級タイトルマッチ
佐竹 政一 2RKO 金正範
 カウンターパンチャーの佐竹に対して、金はやる気満々。頭を振りながらがんがん前に出てくる。典型的なコリアンファイターだな。第1ラウンド終了間際、その突進をさばけずに金の右フックが佐竹の顔面を打ち抜いた。ロープにもたれかかってから前のめりに崩れ落ちる佐竹。体が温まる前の猛攻はファイターの定石。してやられたと言ったところか。第2ラウンド、仕留めにかかる金に対して、佐竹は回復を待ちながらの迎撃に出る。ガードとクリンチの隙間から大振りの隙間を狙う。が、金の圧力を払いのけることはできなかった。狙い澄ました左右フックをまともに喰らって、リングに叩きつけられる佐竹。立ち上がることなくテンカウントを聞いた。強い。パンチ力もさることながら、あのダッシュ力を押さえ込まない限り、この選手に勝つのは難しいな。

フェザー級4回戦
森川 弘幸 判定 王田 尚史
 開始早々しつこく前進する王田。森川もパンチを返すが、王田の前進を止めることができない。ラウンドが進むにつれ、少しずつ森川を削ってゆく王田。だが、森川はあきらめない。王田の小刻みなパンチをもらいながら、要所で手を返して、ペースを渡さず、試合終了。判定で王田の勝ち。

62.5kg契約級4回戦
金谷 将三 判定 森山 公則
 デビュー戦の森山は最初から攻勢をかけてゆくが、応戦する金谷に阻まれてペースを掴むことができない。しばし打ち合ったのちの第2ラウンド、まず金谷がダウンを奪う。立ち上がった森山に攻勢をかける金谷だったが、必死の反撃を試みる森山のラッシュをまともに喰らい、お返しのダウンを喫してしまう。打ちつ打たれつは最終ラウンドまで続き、そのまま試合終了。判定で森山の勝ち。

スーパー・フライ級4回戦
浅野 英樹 判定 篤 弘将
 落ち着いた立ち上がりとなった対戦。互いにリードパンチを出しながら機先を制するチャンスを狙っているようだ。第2ラウンド、そのパンチの中の一発が篤をきれいに捉える。右ストレートで浅野がダウンを奪う。その焦りを隠すかのように、猛然と前に出る篤。その突進が浅野にペースを渡すことを防いではいたが、ハンドスピードで勝る浅野はクリーンヒットを的確にヒットさせ判定勝ち

フェザー級8回戦
サンダー伊藤 判定 堀川 昌憲
 先手を取りに前に出る伊藤に対し、冷静に対処する堀川。序盤、スピードで優位を確保した堀川だが、中盤にはいると試合は接近戦の様相を呈してくる。的確に当てる堀川がやや優勢。だが、お互いの疲労が蓄積されてくると、打ち合いは拮抗し、伊藤も互角に渡り合うようになってくる。そのまま試合終了。判定で堀川の勝ち。

フェザー級10回戦
武本 在樹 2RTKO サムトノイ・シスナルポン
 手数は少ないものの、じわりとプレッシャーをかけてゆく武本。シスナルポンもパンチを返すが、効果はなく、第1ラウンド、いきなり左フックでダウンを喫する。第2ラウンドにはいると、すでに武本のペースになっていた。ガードの上からの右フックで2度目のダウン。ガードの隙間を突く右ストレートで3度目のダウン。最後は再びガードの上からのフックで試合終了。ちと、相手としては物足りなかったなぁ。

56kg契約級4回戦
山下 将臣 判定 山下 大士郎
 身長差のある両者の激突。定石通り懐に潜り込もうとする小柄な大士郎がまずは先手を取る。これに対して、将臣は下からのパンチで突き放そうとするが、思うように距離を保つことができない。最終ラウンドに入っても展開は変わらない。潜り込んでボディを連打する大士郎。将臣は距離のできた一瞬の隙に一発を狙うが、すぐにとりつかれてもみ合いになってしまう。判定で将臣の勝ち。攻勢もクリーンヒットも大士郎が勝っていたように思うのだが、何が評価されたんだろう?

58kg契約級4回戦
岩下 幸右 判定 武本 康樹
 長身ボクサー同士の対戦。小刻みにリズムを刻む岩下に対して、有本は静から動へ移る瞬間を待ちかまえるスタイル。中盤、ミドルレンジでの激しい打ち合いが展開されるが、両者とも致命打を奪うことができない。最終ラウンドに入ってお互い捨て身になったのか、きわどいパンチがお互いのガードをすり抜ける。クリーンヒットは多数あったものの、致命打を与えるには至らず、判定で武本の勝ち。

フェザー級4回戦
佐藤 裕樹 ドロー 目黒 悠嗣
 ハードパンチャーらしい体格の目黒。同じクラスと思えないほど、佐藤の身長が高く見える。ジャブで距離を保とうとする佐藤に対して、目黒がじわりと圧力をかける。第2ラウンド、目黒のパンチで佐藤が振り回されるシーンがみられたが、かろうじてジャブでリズムを立て直す。このまま圧力を増せば、倒すこともできるかと思えた目黒だが、パンチ力の割には思い切りが足らない。相手の手数に付き合って試合終了。判定はドロー。

フェザー級8回戦
目次 誠 4RKO 玉越 強平
 ガードを固めて突っ込む目次を冷静にカウンターで迎え撃つ玉越。気持ちが前に出過ぎたのか、いきなり頭からの突進で減点をくらう目次。中盤にはいるまで空回り気味の目次だったが、その焦りを突かれたか、第4ラウンド、踏み込み際に左右フックをくらってしまう。玉越のK.O.勝ち。引き際のパンチだったが、ピンポイントブローになったのか目次が立ち上がることはなかった。

スーパー・バンタム級4回戦
伊村 修一 判定 真下 裕明
 初めから一発を叩き込む隙を狙う両者。接近しようとする伊村だが、近づいたところで真下のクリンチにつかまってしまう。第2ラウンド、真下の左フックが伊村を捉える。必死に挽回をはかる伊村だが、足が動いていない。長距離から真下に狙い打たれてダメージを重ねながら、一発狙いの大振りを繰り返すが、真下にいなされてしまう。終盤、疲れの見えはじめた真下を伊村のパンチがかすりはじめるが、決定打は最後まで無し。判定で真下の勝ち

スーパー・フライ級4回戦
石本 康隆 2RTKO 松田 貴之
 石本のボディ攻撃で試合は始まった。クロスレンジでのガードの隙間の狙い合い。第2ラウンド、石本のキレのある連打が、松田を追いつめてゆく。上下に散らしながらロープに追いつめ、最後は連打の中の一発が松田の顔面を貫いた。松田のTKO勝ち。こいつは面白い。

フェザー級4回戦
川村 貢治 判定 橋本 均
 出だしから威圧感たっぷりで前進する川村だが、大振りの打ち終わりを橋本に狙われて、やや空回り気味。先生の川村の右フックと打ち終わりに大外から放つ橋本の右フック。どちらが先に当たるか?第2ラウンドに入り、リズムを変えた川村のパンチが橋本を幾度か捉える。単発ではあるが、当たるたびに橋本の体が左右に揺れる。このまま押し切るかと思えたのだが、折り返し点を過ぎると様相が変わる。単発パンチの的中率が落ち始めると同時に、橋本のパンチが逆に川村を襲いはじめる。逆転を匂わせた最終ラウンドだったが、再び川村のパンチが橋本を捉え勢いを寸断した。互いに決められず、判定で川村の勝ち。

フェザー級6回戦
田岡 浩司 判定 大川 健二郎
 アウトボクサーの田岡。積極的に出入りを繰り返してパンチを集める。大川はパンチをさばきながら様子見。中盤にはいると大川がカウンターに力を込めはじめる。相変わらず出入りを繰り返す田岡だが、大川のパンチで勢いを殺されているようだ。しかし、次第に田岡の手数が大川の防御を崩しはじめる。大川も意地を見せ、最終ラウンドには前進を見せるが、流れは田岡。そのまま判定にもつれ込み、田岡の勝ち。

66kg契約級6回戦
中川 大資 5RTKO 十二村 喜久
 積極的に手を出し続ける両者。懐に潜り込もうとする十二村と距離をとって狙いを定めたい中川。やや手数が少ない中川を、十二村がぐいぐいと攻めるが、次第に中川のパンチが正確に十二村を捉えはじめる。口火を切るのが十二村で、攻守を入れ替えるのが中村といったところか。それでも十二村は前進をやめない。なんとしてもこの前進を止めたい中村は細かくカウンターをとりながらそのときを待つが、いつまでたっても十二村の前進が止まらない。ここで中川が戦法を変えた。大きく弧を描いた右拳が十二村の腹を深く抉る。一瞬前進が止まったことを中川は見逃さなかった。連続して打ち込まれるボディブローに次第に十二村の体が丸まってゆく。いったん仕切り直すも、再びボディの連打にさらされたところでレフェリーが割って入った。中川のTKO勝ち。勝機とみるや、顔面には目もくれずボディを打ち続けるあたり、詰め方を知ってるなあ。6年のブランクが惜しまれる選手だ。

ライト級8回戦
三浦 隆司 ドロー 鈴木 哲記
 ボクサーファイター三浦とファイター鈴木の対戦だが、体つきをみると三浦の方がファイター風だ。構えも落ち着いていて、なかなか威圧感がある。もぐりこみたい鈴木は大きなパンチを振るいながら前進しようとするが、鈴木の圧力がそれを許さない。第2ラウンドには逆に一発のきっかけからコーナーへ追いつめられるシーンもみられた。これで吹っ切れたのか、第3ラウンドにはいると、鈴木のパンチがさらに豪快になり、そして三浦を捉えはじめる。大振りなのだが、三浦の思考の裏を突くのか、大きなパンチが何度も三浦の顔面に炸裂する。この展開を打開するため、三浦は手数を増やして対応する。その効果あって、鈴木の顔面を三浦のパンチが捉えるようになるが、打ち終わりに必ず鈴木のパンチが飛んできて押し戻されてしまう。この辺がキャリアの差なのか、もみ合いの中でのパンチの出し方が圧倒的に巧い。前進することで挽回をはかる三浦だが、自分が打てない距離で鈴木のパンチをもらってしまう。そのまま試合は終わり、判定はドロー。

ライト級8回戦
石井 一太郎 1RTKO 藤原 康志
 勝った試合は全部KOの石井が第1ラウンドから一気にそのパワーを発揮する。藤原も食い下がるが圧倒的なパワーの差でアッという間にロープに追いつめられ、釘付けにされて細かく重い連打にさらされたところでレフェリーストップ。こいつは強い。

日本スーパー・ライト級タイトルマッチ
木村 登勇 判定 五百久 寛行
 じりじりと前に出る五百久に対して、木村は変則的な動きで間合いをはずし、パンチをヒットさせる。後半に勝負をかけるつもりらしい五百久だが、その間にも木村のパンチがガードの隙間に滑り込む。折り返し点を過ぎても展開は変わらない。じりじりと前に出る五百久に木村の変則的で正確なパンチが着弾する。第9ラウンド、左ストレートのクリーンヒットでよろける五百久に木村がシフトアップする。体勢を立て直そうとする五百久を追い回すが、ダウンは奪えず。このまま試合は終了し、木村の圧倒的な判定勝ち。

12月2日 「秋田一水 純米酒」を嗜みつつ
ヘビー級10回戦
ウラディミール・クリチコ 5R負傷判定 ダバリル・ウィリアムソン
 確実とみられていた兄妹同時ヘビー級制覇を、いま一歩のところで達成できないクリチコ兄妹。今度こそ辿り着けるか?初回からプレッシャーをかけてゆくクリチコ。余裕ともとれるが、焦りに見えなくもない。とりあえずウィリアムソンは圧力を逸らすように横へ横へ移動を続ける。6分間で踏ん切りをつけたか、第3ラウンドにはいると、ウィリアムソンが前に出始める。クリチコを押し返すまでには至らないが、射程に捉えるようになってきた第4ラウンド、クリチコの打ち終わりをきれいに右ストレートで捉えてウィリアムソンが最初のダウンを奪う。立ち上がるが、焦りを隠せないクリチコ。しかも左目尻を切ってしまう。第5ラウンド、クリチコが優勢にすすめた終了間際、バッティングによってクリチコに額が深く割れてしまう。判定でクリチコの勝ち。

IBF世界スーパー・ミドル級王座決定戦
シド・バンダープール 6RTKO ジェフ・レイシー
 がんがん前に出るレイシーに対して、バンダープールはカウンターをとる隙を狙いながら後退する。ボディカウンターから攻め込むシーンもみられた。第2ラウンド、バンダープールをコーナーに追いつめたレイシーだったが、ことごとくボディにカウンターを叩き込まれて後退を余儀なくされる。攻めるレイシーと迎え撃つバンダープールの展開はしばらく続く。第6ラウンド、ついにレイシーの強打がバンダープールを捉える。左右のフックにさらされてよろめくバンダープール。だが、レイシーのボディもかなりキテいるようだ。レイシーがコーナーに追いつめられる。この猛攻をしのぎきって、反撃に出たレイシーに防戦一方になるバンダープール。本人は耐えられるつもりだったのだろうが、レフェリーが割って入って試合終了。レイシーの勝ち。

IBF世界スーパー・ウェルター級タイトルマッチ
パーノ・フィリップス 判定 カシム・ウーマ
プレッシャーをかけつづけたのはウーマ。だが、手を出しつづけたのはフィリップス。判断の難しい立ち上がりとなった。大振りをいなされていたウーマは、スウィングをコンパクトにすることで、一気に的中率を上げてチャンピオンを追い詰める。思ったようにかわせなくなったフィリップスだったが、要所でパンチを入れて流れを断ち切る、一進一退の攻防が続く。しかし、後半にはいっても間断なく続くウーマの攻撃に、フィリップスは次第に失速してゆく。第11ラウンドに入ると、ウーマの為すがまま。かろうじてこのラウンドを乗り切る。最終ラウンドを向かえ、逃げ回るしかないフィリップス。試合は判定となり、ウーマの勝ち。

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