2007年11月

 このページではテレビで放送されたボクシングの試合結果を、酒を嗜みながらふらふら書きつづっていこうと思います。評価にはかなりの偏りが生じる可能性がありますが、ま、そこはそれ、ご容赦ください。

11月21日 「天の戸 美稲 特別純米酒」を嗜みつつ
ライト級10回戦
ウルバノ・アンティロン  2RKO  ウィルソン・アルコーロ
 長身を畳んで前に出るアンティロン。アルコーロは様子見から始めるつもりだ。しかし、アンティロンがそれを許さない。鋭い強打を振るってアルコーロを追いつめてゆく。強打なのに、アンティロンのパンチは回転も速い。逃げ切ることはできないと踏んだか、第2ラウンドにはいるとアルコーロも打ち合いに応じるが、力の差はあっという間に現れた。連打の中、ボディに注意を向けた直後の右ストレートが、アルコーロの顔面を打ち抜いた。一発で崩れ落ちたアルコーロ。レフェリーのカウント内に立ち上がることはできずカウントアウト。アンティロンのKO勝ち。半歩遠いところから、クロスレンジのリズムで闘うことができるアンティロン。しかも、強打だ。こりゃ、強い。

IBF世界フェザー級タイトルマッチ
ロバート・ゲレロ  1RTKO  マルティン・オノリオ
 サークリングしながら隙を覗う両者。しかし、勝負は一瞬で決した。オノリオが最初に見せた隙を、ゲレロは見逃さずにワンツーを叩き込んだ。まともに顔面を打ち抜かれたオノリオはなんとか立ち上がろうとするが、足下が定まらないオノリオにレフェリーは試合終了を宣言した。ゲレロのTKO勝ち。綺麗なワンツーだった。

WBC世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ
ファン・マヌエル・マルケス  判定  リカルド・フアレス
 ミドルレンジでパンチを交換する両者。前に出たがっているのはフアレスか?まぶたをカットしたフアレスが積極的な攻めを見せる中、第4ラウンドが2分で終了するという珍事が発生する。中盤、両者の距離は次第に狭まり、フアレスのパンチも届くようになってくるが、コンビネーションの多彩なマルケスが変わらず主導権を握っている。ただ、マルケスも攻め込むきっかけは作れないままに、試合は終盤に突入する。まず懐に潜ってパンチを叩き込みたいフアレスなのだが、踏み込み際をマルケスに叩かれる。フアレスが頭を下げたところへ飛んでくるマルケスのショートアッパーは特に効果的だ。止まらない出血で焦っているのか、フアレスは強引に前に出てくるが、芯を捉えるマルケスのパンチに勢いを寸断される。まさに弾幕だ。必死に挑むフアレスだが、最後まで一矢報いることはできず、判定でマルケスの勝ち。

11月18日 「天の戸 美稲 特別純米酒」を嗜みつつ
ライト・フライ級4回戦
前澤 典明  1RTKO  猿渡 裕之
 初っぱなのパンチの交換で、前澤の右ストレートをテンプルにくらった猿渡。ダウンを奪われる。大きなパンチを振るう猿渡だが、前澤の連打をとめられない。どんどん追い込まれていく猿渡を見かねて、レフェリーが割って入った。前澤のTKO勝ち。

70.0kg契約級4回戦
カルロス・リナレス  1RTKO  金在珍
 懐に入ろうとする金を、ロングのボディフックで足止めするリナレス。あっという間にロープに追い込んで雨霰とパンチを浴びせる。そのまま何もできず跪く金。リナレスのTKO勝ち。もうちょっと強いヤツとやらせてもいいかもな。

フェザー級6回戦
簗瀬 亘  判定  寺澤 俊治
 頭を低くしてフックを振るう寺澤。簗瀬もこれに応じるが、回転力で勝る寺澤の拳が、ガードの隙間に滑り込む。簗瀬が落ち着きを取り戻すと、寺澤は足を使い始めた。ヒットアンドアウェイで、すっと潜り込んでは簗瀬のボディを叩く。簗瀬が追い、寺澤がさばく展開が延々続く。最終ラウンドに入ってさらに回転数の上がる両者のパンチ。しかし、決定的な場面なく試合はそのまま終了し、判定で寺澤の勝ち。

50.0kg契約級6回戦
木村 悠  判定  廣瀬 健太
 激しく木村を攻め立てる廣瀬。木村は落ち着いてこれを捌きながら隙を探す。そして、この木村のパンチがタイミングよく廣瀬を捉え始める。廣瀬のパンチは迫力があるが、空回りしてばかりだ。木村が完璧に流れを支配したままラウンドは進んで最終ラウンドに入る。なんとか一発当てたい廣瀬はがむしゃらに攻め込むが、最後まで木村を捉えることはできずに試合終了。判定で木村の勝ち。

ウェルター級8回戦
中川 大資  2RTKO  池田 好治
 前に出ながら距離を調整する中川と、下がりながらタイミングを測る池田のせめぎ合い。両者とも大砲を持っているだけあって、緊張感のある攻防が展開される。そして第2ラウンド、中川のコンパクトな右フックが池田のテンプルを打ち抜いた。中川がダウンを奪う。続く第3ラウンド、打ち合いながらもダメージの回復に努める中川だったが、バックステップにキレがなくなっていた。下がるより速く踏み込まれて、池田の右ストレートが顎を直撃した。中川、2度目のダウン。立ち上がった中川だったが、すでに池田のラッシュに耐える力は残っておらず、ロープに釘付けにされたところでセコンドからタオルが投入された。池田のTKO勝ち。先に当てた者勝ちだったとはいえ、確実にそれをモノにした池田が強かった。

48.9kg契約級10回戦
ローマン・ゴンザレス  1RTKO  エリベルト・ゲホン
 じっくりと距離を縮めるゴンザレス。ゲホンはジャブで接近を阻もうとしたが、終わりは突然やってきた。左2連打。左アッパーで意識を散らしたところへ、すかさず強烈なリバーブロー。この一撃が致命打となった。悶絶するゲホンにカウントは進むが、ゲホンは上体を起こすことすらできずカウントアウト。ゴンザレスのKO勝ち。とんでもないやつが現れたもんだ。とんでもなさ過ぎて、底がまったく見えなかった。もっと強いやつとの試合が見たいな。あと、ゲホン。浜田さんが解説だったら、ダメ出しされてるとこだ。

日本フェザー級タイトルマッチ
粟生 隆寛  判定  上野 則之
 粟生をリズムに乗せまいと先に手を出す上野。粟生はこれをいなしながらリードパンチを放つ。まず、ペースを握ったのは粟生だ。序盤からすでに、右リードジャブで崩したガードの隙間に左ストレートが決まり始める。上野がとれるオプションは少ない。攻めに重点を置けばカウンターが飛んでくるし、しっかりガードしてからの攻撃で捉えられる粟生ではない。結果、渾身のパンチで勝負を賭けて、粟生の油断を狙うしかなくなってしまっている。しかし、この戦法が粟生に若干の迷いを生じさせたようだ。上野の挙動を見るあまり、先に手を出すことが少なくなってきた。終盤にはいると、足を止めての打ち合いが主戦場となる。打ち合いの中でも粟生のテクニックが光るが、上野の猛攻に決め手を欠いているのも事実だ。最終ラウンド、ぐいぐい押し込んでいく上野。粟生はその攻撃の合間を狙ってカウンターを放つ。激しい打ち合いは試合終了のゴングまで続き、判定で粟生の勝ち。最近、粟生を見ていると名護を思い出す。彼が越えられなかった壁と同じものに行き詰まっているのではないだろうか?

11月17日 「天の戸 美稲 特別純米酒」を嗜みつつ
ライト級10回戦
五十嵐 圭  4RTKO  中森 宏
 まずはジャブで牽制しあう五十嵐と中森。互いの裏を読み合い、隙あらばカウンターを叩き込むつもりだ。そして第4ラウンド、耳の裏をかすめた中森の右ストレートで五十嵐の膝が折れた。最初のダウン。必死に食い下がる五十嵐だったが、右フックのカウンターで2度目のダウンを奪い、最後は右ストレートをドンピシャのタイミングであわせてTKO勝ち。五十嵐も頑張ったが、中森のカウンターに押し潰されてしまった。強かった。

日本ライト級タイトルマッチ
長嶋 建吾  判定  リッキー☆ツカモト
 ミドルレンジでの戦いではあるが、やや距離が短いツカモトとやや遠目の長嶋。ツカモトの踏み込み際に長嶋のパンチが軽くヒットする。そんな中、長嶋のロングフックがツカモトを度々捉える。これをなんとかしないと、早々に動きが鈍りそうだ。しかし、なんでここで下がるんだ長嶋。長嶋のパンチを封じるため、ツカモトは強引に距離を詰め始める。なかなか長嶋のディフェンスを崩すことはできないが、なんとか隙を見つけようと必死だ。が、中盤、下がりながらも、芯を捉えるパンチは長嶋の方が多い。終盤、前に出るのはツカモト。そして、長嶋のパンチにキレがなくなってきた。いつものことだが、長嶋のクリンチが多くなってくる。最終ラウンド、長嶋のいつもの試合運びだ。適当に手を出して、クリンチで逃げる。テクニックはあるので、ツカモトの顔面を捉えるパンチはあるが、そこから勝ちにいこうとしない。結局、判定で長嶋の勝ち。これで世界を狙う?片腹痛い。軸足に体重を乗せられないやつに、世界挑戦する価値などない。また、早々にKOされて終わりだ。

スーパー・ライト級8回戦
塩谷 智行  判定  大久保 充
 ガードを固めて頭から突っ込む塩谷。そのガードの隙間を右ストレートでこじ開けようと拳を振るう大久保。一進一退の距離の奪い合いが展開される。懐にもぐり込んでボディを叩く塩谷だが、あまりに強引に頭からいってしまい減点をくらう。これにもめげず頭からぐいぐいいく塩谷に、大久保も手を焼いている。バックステップして距離を作りたいところだが、そのスペースをすぐに埋められてしまう。最終ラウンド、渾身の右ストレートを塩谷のガードのど真ん中に打ち続ける大久保だが、やはり距離を潰されてしまう。頭をつけての打ち合いでは塩谷の方が圧倒的に手数は上だ。試合は激しい打ち合いのまま終了。判定で大久保の勝ち。

スーパー・フライ級4回戦
宮森 卓也  判定  永安 慶太
 ロングレンジからお互い踏み込んで、一瞬の打ち合いを繰り返す宮森と永安。次第に前に出始めたのは永安だ。しかし、後退しながらも宮森は鋭い左右フックで応戦する。最終ラウンド、その打ち合いは最高潮に達する。だが、最後まで決定打を放つことはできずに試合終了。判定で宮森の勝ち。

ライト級4回戦
小澤 剛  2RTKO  竹本 昌人
 竹本の懐を捉えるべく、ゴングと同時にダッシュした小澤。やや面食らった竹本は後手に回ってジャブが出ない。そして第2ラウンド、一気に攻め込んだ小澤の連打でマットに叩きつけられた竹本。後頭部を強打した竹本を見てレフェリーが試合終了を宣言し、小澤のTKO勝ち。強引だが、面白い。

フェザー級4回戦
横山 大輔  判定  チャベス高久
 リーチ差のある両者。横山は突き放したい。高久はくっつきたい。距離を支配したのは高久だった。懐に潜り込んで頭をくっつけた状態で鋭いフックを放つ。横山は必死に長距離砲で距離をとろうとするのだが、高久はあっという間に飛び込んでくる。こうなると横山もこの距離で闘うしかない。高久の土俵で食い下がる横山は、最後まで高久に主導権を渡すことなく手を出し続けて試合終了。判定で横山の勝ち。

スーパー・フライ級4回戦
星野 晃規  ドロー  サムライ綾
 鋭いパンチの交換で始まった星野と綾の戦い。まずパンチをまとめた星野は第1ラウンドから綾を圧倒する。だが、やられっぱなしではない綾。星野を次第に接近戦に引きずり込み、細かいパンチをまとめる。最終ラウンド、ミドルレンジでの攻防だが、そこから離れれば星野、近づけば綾と、流れは最後までわからない。そして、試合は判定へ持ち込まれてドロー。

11月15日 「天の戸 美稲 特別純米酒」を嗜みつつ
58.0kg契約級4回戦
川島 潤也  判定  松田 雄太
 距離をとってカウンターを狙う松田を、じりじりと追いかける川島。松田は川島を自分の距離に釘付けにしたいが、突然、飛び込むようなボディを振るう川島をとめることができない。川島の左フックが松田のリバーに突き刺さる。松田はもっと懐の深さを活かしたいところだが、カウンターを意識しすぎているのかジャブが出ない。最終ラウンド、川島のパンチが松田の顔面を弾くが、攻めきることはできず。判定で川島の勝ち。

スーパー・バンタム級4回戦
ビクトル石田  4RTKO  河本 貴至
 軽いステップを踏む河本をどっしり構えて迎える石田。ガードは巧い石田だが、どうもパンチにキレがない。河本は攻めあぐねながらも鋭いパンチを時折クリーンヒットさせる。流れは河本に偏りがち。両者とも最後まで致命打を叩き込むことはできないと思われたが、試合終了間際、河本の左フックで大きくバランスを崩した石田に、とどめの右ストレートが炸裂した。レフェリーが割って入った瞬間に試合終了のゴングが鳴ったが、ゴング内の有効打で河本のTKO勝ち。

54.5kg契約級6回戦
佐々木 佳浩  判定  岡田 壮平
 頭をこすりつけての打ち合いで始まった佐々木と岡田の試合。岡田は一歩下がってカウンターを狙いたいようだ。中盤にはいると岡田の狙い通り、佐々木が追いかける展開となるが、佐々木もやられっぱなしではない。遠距離から一気に踏み込んで、強打を叩きつける戦法だ。互いのパンチが当たる。最終ラウンド、舞台は再びクロスレンジに戻り、互いに渾身のパンチを振るいあうが、そのまま時間切れ。判定で佐々木の勝ち。

107lbs契約級10回戦
高山 勝成  判定  ファビオ・マルファ
 鋭い出入りでマルファにプレッシャーをかける高山。マルファは高山の打ち終わりを狙う戦法か、無理にスピードにつき合っていない。パンチが重たいのもさることながら、マルファはタフだ。高山のコンビネーションがきれいに決まっても、何事もなかったように打ち返してくる。高山もうかつに接近するのはリスクが高い。第4ラウンド、高山が雨霰とパンチを放ったが、マルファはそれに耐えてしまった。反攻に出る力はないようだが、高山としてはもっとじっくり弱らせないとならないだろう。が、マルファに反撃の余地を与えていない高山は、ひたすらマルファを攻め続ける。しかし、終盤に入ってもマルファが倒れない。好き放題、高山のパンチを食らいながら、まだ立ち続けている。高山が悪いのではない。マルファが強いのだ。そして試合終了。判定で高山の勝ち。

62.0kg契約級4回戦
川本 昂  判定  吉田 謙司
 ミドルレンジでのファーストコンタクトの中、川本の拳が吉田を捉える。膝が揺れる吉田。この機に勝負を賭けた川本は、しつこく吉田を攻め続けて第1ラウンドにダウンを奪う。第2ラウンド、すかさず反撃に出る吉田。接近戦で川本を攻め立てる。最終ラウンド、互いにパンチを出し合うも時間は進み、試合終了のゴングが鳴った。判定で吉田の勝ち。

バンタム級4回戦
舟木 隆太  判定  張本 陽介
 鋭く立ち上がった舟木と張本。ジャブを出したい張本だが、舟木はこれにカウンターをあわせてくる。張本は手が出せない。そこで張本はフットワークを使い始める。素早いステップワークとフリッカージャブで舟木の隙を探す考えだ。これで流れは拮抗したまま、試合は最終ラウンドへ突入し、両者ともキレのあるパンチを交換する。が、決定打は出ず、判定で舟木の勝ち。

131lbs契約級10回戦
三浦 誉士  9R負傷判定  ドディ・ボーイ・アグラビオ
 ジャブを突く三浦に対して、ボディストレートを持ってくるアグラビオ。懐に潜り込む布石か?その目論見通り、戦いは徐々にクロスレンジへと移ってゆく。なんとか距離をとろうとする三浦だが、一度接近すると、アグラビオの強打がガードを叩き壊してかすめてゆく。終盤に入っても、三浦は活路を見いだせない。クリーンヒットは少ないものの、アグラビオの攻撃は始まると止まらない。そして腫れ上がった三浦のまぶたが試合続行不可能と判断され、負傷判定でアグラビオの勝ち。

155lbs契約級10回戦
石田 順裕  判定  ハビエル・ママニ
 緊張感のある探り合いで始まったこの戦い。両者ともジャブで互いの隙を探りながら、ビッグパンチを狙っている。中盤、ママニをジャブでとめようとする石田だが、ママニの入り方が巧い。石田の弾幕をすり抜けていつの間にか射程内に入り込まれている。一進一退のまま、試合は終盤へともつれ込み、そして最終ラウンド。両者決め手を欠いたまま打ち合いを続け、試合終了のゴングが鳴った。判定で石田の勝ち。

11月8日 「加賀鳶 純米酒」を嗜みつつ
クルーザー級8回戦
ロブ・キャロウェイ  3RTKO  クリス・トーマス
 豪快な左右ストレートで攻め立てるキャロウェイ。トーマスはこのストレートをなかなか避けきることができない。なんとか反撃の糸口を見つけたかったトーマスだが、このストレートに次第に呑み込まれ、第3ラウンド、ついに連打に捉えられてしまう。ただ立っているだけとなってしまったトーマスにキャロウェイのパンチが降り注ぎ、ここでたまらずレフェリーが試合をストップ。キャロウェイのTKO勝ち。とにかく、速くて正確なストレートだった。

ミドル級6回戦
ケビン・フィンリー  判定  ブランドン・ウーテン
 ミドルレンジでパンチを交換する両者。ウーテンはもう一歩踏み込みたいようだが、フィンリーがそれをさせていない。中盤にはいると、ウーテンが強引に距離を詰め始める。頭から突っ込んでボディを叩き、強引に打ち合いに持ち込む。これで流れはいったりきたりとなり、どちらが再び主導権を握るかに勝負がかかる。後半、押し始めたのはフィンリーだった。足を使ってサイドにまわりながら、ウーテンにパンチを浴びせる。最終ラウンド、ウーテンも再びパンチを出し始め、打たれたら打ち返すを繰り返しながら試合終了のゴングが鳴った。判定でフィンリーの勝ち。

IBFラテンフェザー級王座決定戦
マルコス・ラミレス  判定  アディルトン・デ・ヘスス
 常に先手をとってペースを掴みにかかるヘスス。これを落ち着いて迎え撃つラミレスだが、ヘススの手数はなかなかやっかいなようだ。時折ラミレスのパンチがヘススを捉え、バランスを崩すこともあるのだが、柔らかい上体を活かしたボディワークで致命打はかわし、細かく反撃も試みる。中盤にはいるとヘススの動きがさらに冴えてくる。ラミレスを射程に捉え、懐で打たせずに打つボクシングを展開しつつある。このまま試合を持っていくかと思われたが、ここでラミレスのパワーがモノを言う。体重を乗せた右ストレートがヘススをロープまで吹き飛ばすシーンが幾度か見られた。徐々にラミレスがパワー押しし始めているようだ。しかし第10ラウンド、ヘススの右フックがカウンターでラミレスの横っ面を捉えた。失速するラミレス。これでまたわからなくなった。最終ラウンド、変わらぬ打ち合いを繰り返す両者だが、相手の意識を断ち切るだけの決め手を放つことはできず試合終了。判定でラミレスの勝ち。

WBO世界スーパー・ライト級タイトルマッチ
リカルド・トーレス  11RTKO  ケンドール・ホルト
 じっくりと間合いをとって様子を見るホルトと、ジャブを飛ばしながら探りを入れるトーレス。両者とも一瞬の隙を覗っている。緊迫したにらみ合いが続く中、ホルトがオーバーハンドライトの照準を合わせ始める。トーレスの左にあわせて叩き込むつもりだ。これを承知で懐を目指すトーレス。カウンターがとれるものならやってみろと言わんばかりの連打をまとめてくる。対するホルトも、負けじと連打で打ち合いに応じてくるあたりは、相当に気が強いようだ。第6ラウンド、ジャブを放って攻撃体制の距離に調整し始めたホルト。変わらず追い込むトーレスに電光石火の連打が炸裂した。右、左フックからの右ストレート。トーレスがダウンを喫する。このままいくかと思われたホルトだったが、決着を意識しすぎたのか攻めきることはできず、終盤に入って再びトーレスのプレッシャーが高まる。が、強引に攻め込んだところへ再びホルトの左右フックを食らってしまう。主導権を握りきれないトーレス。第11ラウンドに入って勝負に出たトーレスがホルトを追い回すが、まずは勢いを逸らしにかかるホルト。ところがこの猛攻の中、逆転の左フックがホルトの顎を的確に射抜いた。腰から砕けてロープにもたれかかるホルト。かろうじて立ち上がるものの、続くトーレスの猛攻に固まってしまうホルトをみて、レフェリーが割って入って試合終了。トーレスのTKO勝ち。もう少しみてみたかったが、まあ、妥当なストップだろう。あそこであの一撃が放てるあたりが、世界チャンプの証なんだろうなあ。

WBC世界スーパー・ライト級タイトルマッチ
ジュニア・ウィッター  7RKO  ビビアン・ハリス
 やや遠目に向き合ってパンチを放つウィッターとハリス。あと半歩踏み込んだ距離が致命打の距離であるだけに緊迫感が高まる。スピードでハリスを翻弄したいウィッターだが、調子に乗っているとハリスのカウンターが突き刺さる。序盤は両者とも気が抜けない展開となる。第4ラウンド、まず刃を突き刺したのはウィッターだった。高速の左フックがハリスの顎を打ち抜き、ハリスはマットに尻もちをつく。この一発だけではなく、ハリスにはウィッターの拳が見えていない。プレッシャーを強めるハリスだが、ウィッターを捉えることができない。そして、強引に攻めた果てに待っていたのはウィッターのカウンター連打だった。踏み込んで2発、振り返って2発のカウンターを打ち抜かれてハリスはマットに沈んだ。すでに立ち上がる力は残っておらず、試合終了。ウィッターのKO勝ち。ハメドのような奇抜な感じまではないが、間違いなく世界最強の変則ファイターだろう。

11月7日 「たまご酒(風邪ひいてます)」を嗜みつつ
54.5kg契約級4回戦
宮崎 隆司  3RTKO  脇重 幸世司
 宮崎のまわりをサークリングする脇重。まずは距離の奪い合いから始まった。ぐいぐい追い込む宮崎に対して、下がりながら応戦していた脇重だったが、その脇重の顔面を宮崎の右ストレートが打ち抜いた。宮崎がダウンを奪う。そして第3ラウンド、逃げられないと悟った脇重が打ち合いに挑むが、その脇重の顔面を再び宮崎のストレートが捉えた。一回転してマットに崩れる脇重に、レフェリーが試合終了を宣告。宮崎のTKO勝ち。宮崎は綺麗な右ストレートを打つなあ。

スーパー・ライト級10回戦
西尾 彰人  判定  山本 大五郎
 ジャブを突きながらじっくり様子を見る両者。拳の交錯が激しくなる中、第2ラウンドに山本がマットに膝をつく。フラッシュダウンでダメージはない。次第に足が動き始め、リズムに乗る西尾。しかし、すぐに山本も反撃を開始する。伸びる右ストレートと左フックが、西尾の顔面を襲い、足を鈍らせる。が、展開は一進一退。中盤にはいると西尾のクリーンヒットが山本を徐々に蝕んでゆく。これは終盤に入っても変わらず、試合は最終ラウンドに突入する。互いのキレに鈍りはないが、攻勢に出ているのは西尾。山本をロープに追いつめて連打を見舞う。が、この猛攻に最後まで山本は抗し続け、試合終了のゴングが鳴った。判定で西尾の勝ち。

バンタム級10回戦
川端 賢樹  7RTKO  武田 高廣
 初っぱなからパンチを飛ばしていく川端。武田も踏みとどまって応戦するが、随所に川端のテクニックが光る。密着してからのパンチの当て方はさすがだ。これに対して武田は手数で立ち向かう。川端が技術を発揮する隙を与えない作戦だ。第3ラウンド、川端のコンパクトな右ストレートが武田の顎をかすめた。蹈鞴を踏む武田。川端はここでも焦らず、パンチをあらゆる隙間に散らし、決定打の隙間をさがし始めた。勢いではいかない。初志貫徹しようとする武田だが、踏みとどまる武田に川端のパンチが雨霰と降り注ぐ。武田の連打も悪くはない。川端の攻撃が止むと、必ず猛攻に転じている。クリーンヒットは圧倒的に川端だが、武田はそれに耐え続けて攻め続ける。しかし第7ラウンド、川端の右ストレートがカウンターで武田を捉えた。完全に失速した武田に川端が襲いかかる。この猛攻にも屈せず、立ち続けた武田だったが、見かねたレフェリーが割って入って試合終了。川端のTKO勝ち。川端の巧さが光った試合だったが、それを存分に引き出したのは武田の粘りだった。面白い試合だった。

50.5kg契約級4回戦
大西 一生  判定  北岡 和正
 いきなり激しい打ち合いに挑む大西と北岡。まず、リズムを掴んだのは大西の方だった。やや下がりながら北岡のパンチにカウンターをあわせる。流れは大西が握ったまま、試合は最終ラウンドに入り、北岡が一発逆転を狙っての猛攻に出る。大西もこれを受けて打ち合いに応じるが、最後まで致命打を与えることはできないまま試合終了。判定で大西の勝ち。

スーパー・バンタム級4回戦
北田 竜統  判定  棚橋 直樹
 強打で棚橋を翻弄する北田。足を使って射程圏内に入りたい棚橋だが、北田のプレッシャーがきつい。第2ラウンドに入って懐に潜り込むタイミングを掴んだのか、棚橋のパンチが北田を捉え始める。北田の強打は相変わらずだが、距離はお互いのパンチが当たるところまで狭まっている。五分の打ち合いを展開しながら試合は最終ラウンドへ。後半は棚橋のほうが有効なパンチを当てている。判定で棚橋の勝ち。

11月4日 「加賀鳶 純米酒」を嗜みつつ
WBO世界スーパー・フライ級タイトルマッチ
フェルナンド・モンティエル  12RTKO  ルイス・メレンデス
 鋭いパンチが交錯する中、モンティエルのパンチが時折メレンデスの顔面を跳ね上げる。左アッパーがキレている。しかし、接近しての打ち合いはメレンデスも負けていない。押されながらも、合い打ち狙いのパンチくくり出す。このメレンデスのパンチがモンティエルを捉えた。拳圧に押されてじりじりと後退するモンティエル。中盤にかけて、メレンデスをコントロールする戦い方に切り替えた。この細かい攻撃にガードを崩されたメレンデスは、第6ラウンド、モンティエルの連打に曝されてダウンを喫する。ところが第7ラウンド開始直後、決めにいったモンティエルを薙ぎ倒したのはメレンデスだった。一瞬の隙を突いた速攻。互いに一発もらえば倒れるダメージを負っての、強打の交換が始まった。終盤に向けて、リズムを取り戻していったのはモンティエルの方が先だった。強烈なボディブローをメレンデスに叩き込んで、動きを止めていく。最終ラウンド、再び連打でチャンスを掴んだモンティエルはボディを織り交ぜた連打を浴びせて、最後はボディでメレンデスをマットに沈めた。立ち上がるものの、再び連打に曝されて反撃できなくなったところでレフェリーが割って入った。モンティエルのTKO勝ち。モンティエルのアッパーは美しかった。そして、強い。

WBO世界ライト・フライ級タイトルマッチ
ウーゴ・カサレス  判定  イバン・カルデロン
 高速移動を繰り返すカルデロンを長射程を活かして捉えようとするカサレス。まずはカルデロンのスピードが流れを支配する。ヒットアンドアウェイでクリーンヒットをとるカルデロンだが、カサレスのパワーに次第に押され始め、第8ラウンド、ついにカサレスがダウンを奪う。力は入っているものの、確実にカルデロンを追いつめていくカサレス。カルデロンはひたすら逃げ回り、時折思い出したように切り込んでくる。終盤に入っても、カルデロンにキレがあるので油断ができない。最終ラウンド、逃げにはいったカルデロンを強引に追い回すカサレス。カルデロンは勝っていると見ているのだろうか?結局最後までカサレスはカルデロンを捉えきることができずに試合終了。判定で序盤のポイントを持って逃げ切ったカルデロンの勝ち。カサレスの良さを押さえ込み続けて奪った勝利だったな。

11月2日 「加賀鳶 純米酒」を嗜みつつ
日本ミドル級タイトルマッチ
江口 啓二  4RTKO  叶 栄治
 重たいパンチを放ちながらも叶の攻撃をしっかり見切る江口。叶は必死に攻撃の糸口を探るが、変なタイミングで飛んでくる江口のパンチをなかなかかわしきることができない。そして第4ラウンド、江口の連打が叶のガードを突き崩した。次第に力を失っていく叶の両腕の隙間を、江口の左ストレートが打ち抜いた。最初のダウン。立ち上がった叶だったが、再び江口の連打にされされて、同じ左ストレートを振り抜かれた。前のめりに倒れ込む叶に、レフェリーが試合終了を宣言した。江口のTKO勝ち。巧いし強い。フィニッシュの左は完璧だった。

スーパー・フライ級6回戦
内海 俊忠  2RTKO  山本 幸史朗
 鋭い左で山本を牽制する内海。第1ラウンド、内海のボディが山本を失速させた。内海がボディを叩くたびに背中を丸める山本。内海のパンチを殺すため、強引に距離を詰める山本だが、踏み込み際に内海のフックがクリーンヒットした。蹈鞴を踏んで内海のラッシュに呑み込まれる山本。1度目のダウン。たちあがり、必死に手を返す山本だったが、内海の連打が山本をロープに釘付けにしてレフェリーストップ。内海のTKO勝ち。パンチも切れているし、詰めも厳しい。強かった。

11月1日 「日置桜 青水緑山」を嗜みつつ
ミニマム級4回戦
オイッス杉川  ドロー  富永 靖浩
 慎重な立ち上がりを見せる両者。ひたすら前に出る富永だが、杉川のカウンターが軽くヒットする。見栄えは杉川の方がいいが、いいパンチを入れているのは富永の方だ。杉川は綺麗なパンチをうつが、当たらない。そして富永が左フックで最初のダウンを奪う。ここから打ち合いに応じた杉川だが、アマ出身の割にはどうにも合い打ちのセンスがない。と思っていたら、その綺麗なアッパーで富永からダウンを奪い返した。そして最終ラウンド、必死に拳を振り回す両者だが、疲れのせいかクリーンヒットがない。そしてそのまま試合終了。判定はドロー。

53.0kg契約級4回戦
ジャッカル川原  ドロー  北村 忠靖
 突然襲いかかった北村。しかし、川原はすぐに的確なジャブで勢いを殺す。攻めもガードも雑な北村は前に出ながらも川原のパンチを食らってしまう。ラウンドが進んでもこの展開は変わらない。必至に前に出る北村だが、川原のパンチをかわすことができない。激しく打ち合ったまま試合は終了。判定ドロー。

52.8kg契約級8回戦
ピチット・チョー・シリワット  判定  村井 勇希
 鋭いパンチで探りを入れるピチットと村井。拮抗した打ち合いをやや有利に進めているのはピチットだが、第4ラウンドに村井のパンチがピチットを捉えてペースを握りかえす。しかし、ピチットがそのまま後退することはなく、再び踏みとどまって、ボディ中心の攻撃を仕掛けてくる。なかなか攻めるきっかけがつかめない村井。試合はそのまま終了し、ピチットの勝ち。

スーパー・ウェルター級8回戦
シントゥン・ギャット・ブサバー  判定  丸元 大成
 一度KO負けを喫しているシントゥン相手に落ち着いた立ち上がりを見せる丸元。小柄なシントゥンだが、強打を振り回しながら丸元に接近してくる。序盤はシントゥンのボディと丸元の右フックのせめぎ合いとなった。丸元のパンチが綺麗に入るのだが、シントゥンは平気な顔で打ち返してくる。終盤に入ってシントゥンがプレッシャーを強めてくるが、丸元はこれを冷静に迎え撃つ。そしてそのまま試合終了。判定で丸元の勝ち。

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