◆ピントの追い込みかた

具体的にフライアイルーペでピントを追い込んでいくときの手順をまとめました。

まずは比較的大きな間隔で複数枚の撮影を行います。ファインダーによるピントあわせで、おおよそのピントの位置を掴んでおき、それよりドローチューブをやや縮めた状態から撮影を開始します。必ず一定間隔で撮影します。
シンチレーションが悪いときは、ひとつのピント位置で3枚程度撮影するとよいでしょう。ただし、すべてのピントで3枚ずつ撮影しないと、PCに読み込ませたときに、どの画像がどのピント位置なのか分からなくなってしまいます。
一番最初のピント位置、一番最後のピント位置、ピントの間隔を記録しておきます。コメント機能を活用するとよいでしょう。

◆チェック@
肉眼で合わせた位置の周囲を数枚撮影します(この範囲にジャスト位置が含まれていることが前提)。ここでは望遠鏡のヘリコイドを用い、1.70から2.30まで0.2間隔(200ミクロン間隔)で4枚撮影します。
1.70 1.90 2.10 2.30
この2枚の間にジャスト位置がありそうだ!
1.90と2.10の間にジャスト位置があることがわかったので、今度はこの間をさらに細かくチェックします。


◆チェックA
望遠鏡のヘリコイドを1.90に合わせ、今度は0.5刻みで5枚撮影します。
1.90 1.95 2.00 2.05 2.10
この2枚の間にジャスト位置がありそうだ!
1.95と2.00の間にジャスト位置がありそうです。ヘリコイドのバーニア目盛をめいっぱい使ってさらに追い込みます。


◆チェックB
望遠鏡のヘリコイドを1.95に合わせ、今度は0.1刻みで5枚撮影します。ヘリコイドの精度からこのフェーズが最後になります。
1.95 1.96 1.97 1.98 1.99 2.00
ここが最も回折光が細いので、ジャスト位置に近い!
この例では1.97がジャスト・ピントの位置となりました。例に出したヘリコイドの精度は最小10ミクロンなので、まさにギリギリまで追い込めたことになります。ナイフエッジのようにピント位置をエミュレーションするアイテムではここまでは追い込めません(素材の違いによる膨張率の差が無視できなくなる)。


光学系や接続アダプター等のシステムが毎回同じならば、ヘリコイドの位置はほとんど変化しないので、ジャスト位置をコメント機能で保存しておけば、次回より追い込む回数が少なくて済むでしょう。たとえば、上の例ではピント位置が.96なので、この値をメモしておきます。次回以降は、“チェックA”の1.90から2.10から始めればよいでしょう。

軸上収差が大きな光学系では、ジャスト・ピントの位置が読み取りにくくなります。赤が合焦する場所では、緑と青が合わず、緑が合焦する場所では、赤と青が合わない、…。といった具合になるので、スパイダー干渉光の収束が安定しません。
ヘリコイドやラックアンドピニオンには、ガタ(アソビ)があるので、同じ目盛を示しても左回りで合わせた場合と、右回りで合わせた場合で微妙にピント位置が変わります。必ずどちらか一方から合わせるようにしてください。
上の説明で使っている恒星像は、例に挙げた望遠鏡で撮影したものではありません。また、わかりやすくするため、やや大げさにピントがずれた画像を用いています。


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