天体写真のためのステラナビゲータ

撮影計画は、遠征の前からジックリ練り込まなければならない。遠征地に着いて機材のセットが終わって「さぁ何を撮るかな」ではよい作品は撮れないだろう。
自分はステラナビゲータを使って、どの対象をどの順番でどういう構図で撮るか決めている。
最近はヴィジュアル指向がウリのステラナビゲータだが、天体写真用としても役に立つ機能がたくさんある。これを使わないテはない。

自分がいつも使っているやり方をいくつか紹介する(といってもたいしたTipsではないが(^^;)。他にもあるが、それは順を追って紹介しようと思う。
写野角の表示機能で自分の望遠鏡とカメラで構図確認が行える。 特に目で確認できない対象は、こうした事前準備によって現地でのタイムロスを 最小限に抑えることができる。 左の星図どおりに撮影した北アメリカ星雲南部の“バーミリオン・ボウ”。
焦点距離800mm、EOS Kiss Digital改によるもの。
このように散光星雲の一部を切り抜くときは、構図を事前にシミュレート しておく。

■写野角を表示させる

写野角の表示は、メニューの「天体」から選ぶ。右上図の赤で囲ったところをチェックだ。望遠鏡の焦点距離を正確に入れる。機種一覧からはもちろん自分の使うカメラの機種を選ぶ。
ステラナビゲータは、望遠鏡の焦点距離とカメラの種類から、写野角(写野範囲)を計算し、そのワクを表示する機能がある。これを使えば、自分の光学系とカメラがどの程度の広さを写し撮ることができるか見当がつく。
適当に真ん中に配置すればよい対象(系外銀河等)ならいざ知らず、散光星雲の拡がりをうまく表現したければ構図やレイアウトは大変重要だ。
フォトコンへの入選を目指すのであれば、ピントやガイド以外の要素である構図に十分留意したい。

その写野角は、メニューの「天体」→「視野円・写野角」を選ぶ。設定ダイアログが表示されるので、望遠鏡の焦点距離を入力し、カメラの種類を一覧リストから選ぶ。
OKボタンを押せば画面の中央に写野角が表示される。


■赤道座標でノース・トップにする

表示形式が地平座標の場合は、北が画面の上を向いていないため、写野角を回転させなければならない。よってこのような使い方は自分的にはNG
天体写真のレイアウトの基本は“北を上にする”ことだ。よって写野角も北を上にしなければならない。写野角の角にある□マークをマウスでつまんで回転させ、経緯線と並行にすればよいが、それより表示を常にノース・トップにした方がやりやすい。
標準では、プラネタリウムのように天球を模した地平座標になっているが、これを赤道座標に変更する。


表示形式の変更はメニューの「設定」→「表示形式」から行う。
ダイアログ下部の“座標系”を「赤道座標」に、そして写野角が湾曲しないように“投影法”を「心射図法」にするとよい。
メニューの「設定」→「表示形式」を進み、ダイアログ内の「赤道座標」をオンにする。
同時に“投影法”も「心射図法」にする。一般的には一番上の「正距方位図法」だが、これだと球面湾曲で写野角がゆがんでくる。本来、球面である夜空を無理矢理長方形に入れているのでどうしても湾曲が出てしまう。
「心射図法」にすれば球面湾曲によるゆがみはなくなるため、写野角は常に長方形を保つことができる。


■新型カメラを追加する

このように写野角の表示機能は大変便利だが、新しいカメラが発売されたらどうすればいいだろうか。
一覧リストには載ってないので、仕方なくリストの右にある「サイズを指定」で、CCDの縦と横のサイズを入力する…、とこれでは芸がない。
実は一覧リストはユーザーが自由に修正、変更できるようになっている。公式にはサポートされていない(?)が、ステラナビゲータのフォルダに「NAVCCD.TXT」というテキストファイルがあり、これはメモ帳で開くことができる。
中を見ると、銀塩フィルム、冷却CCD、そしてデジカメの一覧リストが書かれている。新型カメラならばここに追加すればよい。
新型カメラの受光素子サイズは、そのカメラのカタログ(またはHP)に載っているので、すぐにわかる。
また、自分には不要な機種をリストから削除し、スッキリさせるのもテだ。

冷却CCDやデジカメのモデル一覧は、ユーザーが自由にカスタマイズできる。C:\Program Files\Astroarts\stlnav7\stlnavとフォルダを手繰り、「NAVCCD.TXT」を見つける。
メモ帳などのテキストエディタで開き、カメラ名と素子サイズを追加しよう。右3列の“-1.0”はそのままでよい。
ファイルを上書き保存した後、ステラナビゲータで調べてみると、一覧に反映されていることがわかる。なお、CCDの素子サイズは、メーカーのホームページを見ればすぐに分かる。

■ファイルに保存する

構図が決まったらそれをファイルに保存しておく。
メニューの「ファイル」→「保存」を選ぶと、ファイルの保存ダイアログが表示されるので、好きな名前(といっても普通は対象天体名だが)を指定する。
現地で再度確認したいときは、「ファイル」→「開く」で呼び出せる。
自動導入を使っているならば、写野角の中心マーク(×)を導入対象とすれば、目に見えない天体でも思い通りの構図で撮影できる。
ただ、自動導入の精度を過信しないように注意したい。写野近くの恒星で位置調整を行い、自動導入の移動距離はできるだけ短くする。
自動導入を使わないのであれば、プリンタで印刷するのもよい。ただし、目に見えない対象を手動で導入するにはそれなりのテクニックが必要だ。そのためにはファインダーをうまく利用する。対象導入の方法については別のページで解説する予定だ。

ちなみに現地ノートPCを使う場合、液晶モニタの減光処置を忘れないでおきたい。
自分は気にならなくても、周囲の天文仲間が迷惑を被っているかもしれない。
ステラナビゲータにもナイトビジョンといって赤い色で表示する機能があるが、そもそもの液晶モニタの輝度がハンパではないのであまり意味はない。
カー用品のスモークシールなどをアクリル版に貼って、それをモニタの上に重ねるとよい。




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